若者がお酒を飲まなくなったと言われて久しいですね。
お金が無いから飲まなくなった、外出しなくなったから飲まなくなった、お酒以外の娯楽が増えたから飲まなくなった・・・とか言われていますが、私の周囲の20代~30代の若者を見ていると、本当にそれだけ?と思います。
なぜなら、体質的に飲める若者たちが仲間内で集まって飲んでいる頻度が、やはりお金がなかった私の20代の頃と比べて大差あると思えないからです。
職場の飲み会の回数が減ったから、飲みに誘っても来てくれなくなったから、今の若者は飲まなくなっていると安易に考えていませんか?
無理して飲み会に参加せずによくなった
飲み会の回数が減った一番大きな原因は、「行きたくない飲み会は、断ってもいい風潮ができた」ことだと思います。
確かに昔は、飲み会に行かないと付き合いが悪いだのなんだの言われましたもんね。
(会社員時代の私は飲み会どころか、行き先に興味がない社員旅行を何度か断って、「付き合いという言葉を知らないのか」と他部署の社員にちくちく言われましたが・・・今の時代ならもっとドライな風潮だったかもしれませんね。)
でも今は、職場を出てまで仕事の話をしなくてもよくなっているのだとしたら、生きやすくなっているのかと思います。
だって、人生って職場の人間関係だけじゃない。
学生時代の友人も、取引先との付き合いも、それらとは全く違ったところにある人間関係も、本当に色々な可能性がある。
何をすき好んで、常に会社の人と一緒にいなければならないのか、理解できない。
それに、いつも同じ人と一緒にいたら、何も発展しないと思うんですよね。
違う世界との接点ができる機会は多いほうが、仕事に活かせる新たなアイディアが生まれる。
更に、人と会うだけがすべてではない。
仕事が終わったら家にこもって、仕事中にはできないことを一人でコツコツとやるのもまた、その人の人生。
職場の付き合いだけで日々が過ぎていってしまうのは、それはそれでさびしい人生になりかねない。
若者でも飲む人は飲んでいる
はじめに一言。
体質的に飲めない人はここから先の話は対象外です。
好きか嫌いかはさておき、体質的にアルコールを分解できる人の話だと思って読んでください。
会社帰りの飲みにケーションが無くなった、同僚や部下との飲み会が減った・・・と嘆くバブル以上の世代の方の話は、耳にタコができるくらい聞きました。
だからといって、「今の若者は飲まない」に結びつけるのは性急すぎる。
実際、会社の上司と飲みに行かないだけで、会社の若手同士では飲みに行っている話は耳にします。
私の地元の居酒屋やバーに行くと、頻繁に20代~30代の若者に遭遇します。
しかも、どこにでもいそうな20代半ばのエンジニア男性や、アラサーの出版社の女性が、1人で飲みに来ていたりする。
そのような若者と話していると、意外な事実が見えてきます。
以下、私が耳にした彼らのコメントの一部をご紹介。
・酔っ払いが嫌で、飲み会に誘われたくないから、会社ではお酒に弱いことになっている。
・お酒は好きだけど、会社の上司と飲みに行くとお説教か愚痴になるから、いつも断っている。
・職場の飲み会は、誰かの悪口ばかりで楽しくない。
・職場の上司と行くと、最初の一杯で苦手なビールを無理矢理飲まされる。
・飲み会の席だと、セクハラが多くて嫌。
・飲んでも飲まなくてもきっちり割り勘になるのが嫌。上司は私の倍は稼いでいるはずなのに。
・酔うために飲むお酒は嫌い。きちんと味わって飲める場所で飲みたい。
・お酒は好きだけど、服にタバコのにおいがつくのが嫌なので、居酒屋には行きたくない。
・会社の宴会で飲むお酒は安さで選んでいるからおいしくない。量は少しでいいから、美味しいお酒を飲みたい。
・・・どうですか?
知らず知らずのうちに、職場の若者にこんな態度を取っていませんか?
耳が痛い人がいたら、突然若者から断られるようになる前に、気をつけましょうね!
上記のコメントはネガティブなものですが、ポジティブなコメントだと、こんなものもありました。
・楽しいお酒が飲める職場や取引先との飲み会は特に嫌ではない。
・年上の人から、今まで知らなかった美味しいお酒を教えてもらえるのは嬉しい。
お酒が飲まれやすい環境とは
結論として、アルコールの消費量が伸び悩んでいるのは、「若者の酒離れではなく、日本社会の酒離れが原因」というほうが、現実に近いのではと思います。
若者であっても、飲める体質でかつお酒が嫌いでなければ、マイペースで楽しみながら飲んでいる印象で、それは私が社会に出た20年前となんら変わらない。
ゆえに、酒離れと言われる原因は、「若者に限らず、日本人全体の可処分所得が減って、アルコールのような嗜好品に使うお金が減った」、「かつて連日飲み会に行っていた世代が、健康を気にして飲まなくなった」、「飲酒運転に対する取り締まりが厳しくなった(当然です!)」あたりが最たるものではないでしょうか。
まとめると、このあたりが重要になってくるかなと。
・おのおのが自分のペースで飲む(無理矢理飲ませない)
・他人にからまない
・楽しい空間をつくる
あとは、お酒を飲むときは必ず、一緒にお水を頼むことも忘れずに!
体内のアルコール濃度を下げるには、水を摂取することが不可欠です!!
以上、お酒が飲めない体質だったら、今頃都内にマンションを買えていたかも・・・という程度には頻繁に飲んでいる、お酒好きコンサルの今日の記事でした。
(2018.1.29 – Naoko Tamura)